二ヶ月ほど前のことである。
久しぶりに「点字毎日」の文芸欄に短歌を投稿してみた。
それが入選して選者の評をもらった。次のようなものだ。

かにかくに 今日の夕餉を 整えて 一人の暮らし 一日をおくる
(かにかくに きょうの ゆうげを ととのえて ひとりの くらし ひとひを おくる)
(選者評) 「かにかくに」とは、「あれこれと」と言う意味。
一人のゆうげも決しておろそかにせず、今日の命を大切に生きると言う、
謙虚で誠実で前向きな姿勢が伝わってくる。

そんなことはもう過去のこととして忘れていた。
ところが今日、クロネコの宅急便でボール紙で包装した荷物が送られてきたのだ。
開けてみると、立派な色紙が出てきて、それには知人の手紙が付いていて、
神戸の点訳ボランティアで書道家の西川白蘭さんが書いてくれたと記してあった。
そして例の短歌が書かれていたのだ。世の中には思いがけないことがおきるものだ。
私はその知人に、「むやみに人を愕かせるものではない」と言う礼状を書いた。

2011年9月12日 
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